部屋に勝手に入られるのは空き巣と同じでは?

都会での生活を夢見て一生懸命勉強し、晴れて都心の大学に入学することができました。色々と制限のある女子寮などは避けて、狭いながらも嬉しい独り暮らし。機能性に富んだワンルームシリーズとして、全国的にも有名な賃貸アパートに引っ越しました。アパートなので1階も2階も防犯性は低く思えますが、最近の賃貸物件はオートロックはもちろんのこと、警備会社と契約してあり、何か会った時はすぐに駆けつけてくれるシステムのようです。空き巣狙いだってその防犯システムがあれば安心。女性の一人暮らしと言っても、かなり安心して新生活を始めることができました。

入学式後は、サークルの新歓コンパだ女子会だと何かと忙しく過ごし、ホームシックにかかる暇さえありませんでした。大学から交通の便もいいところに部屋を決めたので、大学でできた友達を呼ぶことも、週末には泊めてあげることもできます。勉強はそっちのけでしたが、大学生生活を満喫し、毎日楽しく暮らしていました。そんなある日、いつものように友達を数人ひき連れ、終電ギリギリの時間に帰宅したところ、事件は起こりました。酔っぱらってなかなか自室の鍵を開けられず手間取っていたところ、ふいに部屋の内側から鍵が開けられ、ドアが外側に開いたのです。

ドアが開くと思っていなかった友達はおでこをドアにぶつけましたし、私は居るはずのない家人が中から出てきたので驚きで悲鳴をあげてしまいました。しかしそれはなんと私の母。母の方も目を三角にして、明らかに怒っているモード。女の子がこんな深夜に帰宅するなんてと、その後、友達まで巻き込んでお説教の時間が続いたのは言うまでもありません。

翌日母は帰って行きましたが、いくら母親だからって、大家さんが勝手に鍵を開けて母を室内に通してしまうなんて。家主である私の断りなく部屋に勝手に入られるのは空き巣と同じではないか。防犯システムもなんの役にも立ちませんでした。